
季節の変わり目になりました。
今年は気温の変化も激しく体調を崩さないようにして下さい。
胃ろう造設は容易に行うことが可能になりましたが手術であることにかわりはなく、したがって手術に伴う合併症などの危険があることを、患者に説明し理解してもらう必要があります。
(続きは次回に!)
カテーテルの種類は胃内固定版と体外固定版の形によって4タイプ(ボタン型バルーン・チューブ型バルーン・ボタン型バンパー・チューブ型バンパー)あり、チューブの太さも各種あるため、それぞれの特徴をよく理解し患者の状態に合ったものを選択します。
(次回に続きます)
本人の不快感も少なく、口からの嚥下訓練も同時に行え、外部からはほとんどわからないなどの利点があります。在宅での管理もしやすく、QOLの改善も期待されることから、近年広く普及してきています。
(次回に続きます)
局所麻酔による数十分の手術で造設でき、不要になればチューブを抜去することでろう孔も速やかにふさがります。チューブは三ヶ月~半年に1回交換します。
(次回に続きます!)
胃内視鏡を用いて胃壁と腹壁を密着固定させ、胃に栄養を送るための穴を上腹部に造り、その穴に経管栄養用のカテーテルを固定して栄養を送る方法です。
(続きは次回に!)
経鼻経管栄養は、チューブ挿入時に管の先端が、誤って肺に入り肺炎を起こすおそれがあることと、高齢者の不快感が強く、特に認知症がある場合には自らチューブを引き抜いてしまうことも多いため、長期間の経管栄養としてはあまり活用されなくなっています。
(続きは次回に!)
チューブの長さが短すぎると、通過障害のある場合は栄養剤が貯留して逆流することがあり、逆に長すぎると胃壁に穿孔を起こす危険性があります。
また、チューブが確実に胃内に入ったことを確認するには、注射器でチューブの先端から空気を送って聴診器を季肋部に当てて泡音を聴くか、チューブの先端から注射器で引いて胃液を採取する方法があります。
チューブ交換は一ヶ月に1回程度行います。
(次回に続きます!)
鼻の穴から咽頭部を通過して胃に管の先端を置く方法です。緊急的または一時的な場合や胃ろうが造れないケースなどで行います。チューブを挿入しやすくするために半座位や座位をとり、チューブの45~50cmの箇所にしるしを付けて鼻から挿入し、挿入長さの過少過多を防止します。
(次回に続きます!)
経管栄養法(2)
栄養物は38~40℃に温め、低濃度(10%程度)の状態から段階的に増やしていき、注入量は一時間あたり200mlを超えないようにします。栄養物の組成、PH、浸透圧濃度温度などが下痢の原因となっている場合もあります。
また注入時は誤嚥を防ぐために、上体を30度くらい挙上するとよいでしょう。
栄養注入後は水道水をチューブ内に注入し、チューブ内に残っている栄養物を洗い流します。
(続きは次回に!)
経管栄養法
経管栄養法は、嚥下障害及び消化管の通過障害などがあって食事を経口摂取できない場合や意識レベルの低下している患者に、液状食事を管を通して注入して栄養補給する方法です。
定められた液体状の栄養剤を、一日3~4回に分けて注入しますが、このとき気をつけたいのは速度・温度・濃度です。注入速度が速かったり、いきなり高濃度の栄養物を注入すると、腹部膨満や嘔気及び下痢などの副作用がおこり、患者の苦痛を増大させる場合があります。
(次回に続きます!)
日本昏睡スケール(JCS)
3.刺激しても覚醒しない 300 全く動かない 200 手足を少し動かしたり顔をしかめたりする 100 はらいのける動作をする |
2.刺激すると覚醒する 30 痛み刺激で辛うじて開眼する 20 大きな声、または体をゆさぶることにより開眼する 10 呼びかけで容易に開眼する |
1.覚醒している 3 名前、生年月日が言えない 2 見当識障害がある 1 ほぼ意識は清明だが今ひとつはっきりしない |
このほかに、眼球運動・瞳孔・各種反射等の脳幹反応の有無や呼吸の型(チェーンストークス呼吸、中枢神経原性過呼吸、失調性呼吸など)の確認も重要です。
(続きは次回に!)
(5-1)意識レベルの判定
意識障害の種類と程度を正しく判断することは、その後の治療の観点からも大変重要です。
判定の基準としてわが国で広く使われているのが「日本昏睡スケール」又は「日本意識障害スケール」(JCSと略す)で、分類の方法から3-3-9度方式とも呼ばれます。数値が大きくなるほど意識障害が重いことを示しています。単に100あるいは3-100と表記します。


脳幹・視床下部・大脳皮質が障害されると意識障害すなわち意識低下が起こります。
原因としては、脳血管障害や脳外傷のように大脳や脳幹を直接障害する場合(頭蓋内病変)と、循環器・呼吸器疾患による脳の低酸素や糖代謝異常による脳症などの全身性の異常による二次的な障害(全身性病変)があります。
(次回に続きます!)
<<意 識>>
救急医学などでは意識レベルもバイタルサインに含める場合があります。「意識」についての定義は様々なものがありますが、身体医学的には「外部の刺激に対する人の心身の反応」ということになります。意識レベルの確認は、脳幹・視床下部・大脳皮質など、生命の維持に大きく関わる器官の障害の有無や程度を知る上で大変重要になります。
(次回に続きます!)
<<測り方>>
呼吸は、回数や深さなどを意識的に変えられるので、本人にさとられないように測定します。脈拍を測定している態勢のまま、胸部や腹部が1分間に上下する回数を数えます。呼吸運動が弱い場合は、鼻にティッシュペーパーや鏡を近づけて動きやくもりを見て測定します。また、規則性や深度、呼吸形式や随伴症状なども観察し、個人ごとの体温表や看護記録に記します。
(次回に続きます!)
次の症状は異常と判断される状態の一例であり、医師の診察を必要とします。
・頻呼吸 :1分間に24回以上の呼吸数。興奮時などに表れる。
・徐呼吸 :1分間に12回以下の呼吸数。睡眠剤の多量服用時などに表れる。
・喘鳴 :ゼーゼー、ヒューヒューと呼吸音がする。
・起座呼吸:臥床しているより起座のほうが呼吸が楽になる状態で、重篤な心不全のときなどによく見られ、四肢の末端や口唇にチアノーゼや下肢の浮腫を伴うことがある。
・下顎呼吸:呼吸筋が十分に働かなくなっているために、下顎を動かして努力性に呼吸をしている状態。
・チェーンストークス呼吸:過呼吸と無呼吸を繰り返す。
・無呼吸 :呼吸が一時中断した状態。
(続きは次回に!)
呼吸には、胸式・腹式・胸腹式呼吸の三つがあり、肋間筋の収縮によって行われる胸式呼吸は女性に多く、横隔膜の上下運動によって行われる腹式呼吸は小児や男性に多く見られます。
通常成人では1分間に15~20回が正常ですが、加齢とともにやや減少します。
(続きは次回に!)
<<呼 吸>>
呼吸は、生体が体内に酸素を取り入れたり、体内での代謝で生じた炭酸ガスを排出することです。会話や活動ができる状況ではほとんど問題はありませんが、急性期や呼吸困難・喘鳴などが見られるときには、観察と同時に原因把握と治療を行わなければなりません。
(次回に続きます!)
<<脈拍の測り方>>
①食事や入浴後は30分以上経過してから測定する。
②安楽な姿勢で5分間以上安静にする。測定時、脈拍の伝導を阻害しないように、首を曲げたり回した姿勢にならないよう気をつける。
③測定者の手は温めておく。
④動脈(通常はとう骨動脈)の上に示指・中指・薬指の三本を軽く当てて、正確に1分間測定する。
⑤個人ごとの体温表や看護記録に、測定年月日、測定部位、測定値、整・不整および性質などを正確に記す。
(次回に続きます!)
規則正しい一定のリズムで触れるのが整脈で、不規則に乱れている場合は全て不整脈です。また、心拍が末梢動脈へ伝わらず、心拍数と脈拍数が違う場合があり、これを脈拍欠損といいます。心臓拍動の不規則性を正確に観察するには、心電図を用いる必要があります。
これらの異常が表れたときは、定期的な診察を受けていても、新たに医師の診断や適切な治療を受けます。
(続きは次回に!)
通常、成人では1分間に60~80回が正常値ですが、100回以上を頻脈、60回以下は徐脈といいます。必ずしも異常とは言えませんが、刺激伝導障害や心不全などの病気の可能性があります。脈拍数は加齢とともに減少し、睡眠時は少なく運動によって増加します。
(次回に続きます!)
(3)脈 拍
脈拍とは、心臓の心室の収縮により血液が大動脈に送り込まれるときに生じる波動が、全身の動脈に伝わり触知されるもので、1分間あたりの脈拍を数えます。脈拍を触知するのは、頚・上腕・とう骨・大腿・膝窩・後脛骨・足背などの動脈の体表面で、一般にはとう骨動脈(手首の内側)で測定します。脈拍数、脈の強弱、リズムに乱れがないかを観察します。


<<血圧の測り方>>
血圧は時間や環境によって変動するため、正しい手順や整った環境で測定する必要があります。
①心身の力をぬいてリラックスした状態で計る。
食事や入浴の直後や、あわただしくしているときなどの数値は高くなります。ゆったりとくつろいだ状態で測定します。
②毎日同じ時間に計る。
③正しい姿勢で測る。
椅子に背筋を伸ばして座り、カフ(マンシェット)を心臓と同じ高さにある上腕に巻き、腕に力を入れずに測定します。血圧は、左右の腕で5~10mmHgの差があるため、毎回なるべく同じ腕で測定します。座位の体勢がとれない場合、臥位でも測定可能です。カフがぴったりと巻きつけられ、かつ脈拍を触診できる部位であれば、四肢のいずれであっても血圧の測定はできますが、臥位でもほぼ心臓と同じ高さで、患者が安静横臥して5分間以上経ってから測定します。
④信頼できる血圧計を選択する。
一般には、JIS(日本工業規格)に準拠した点検済みの水銀血圧計を使用します。手首や指先で測る簡易血圧計は、体の末梢ほど血圧の変動が大きいことを考えると、一つの目安程度に考えたほうがよいかもしれません。
⑤記録をする。
患者ごとに測定年月日、時刻、室温、体位、測定部(左右も)などを記録し、同時に二回以上測定した場合にはとり方(何回目の値か、平均か、高いほうか、低いほうかなど)を明記します。
(次回に続きます!)
③触診法
動脈の拍動を触知することによって測定する方法で、前述の二つの方法と併用することで偽性高血圧や聴診間隙などの判断には役立つと考えられます。しかし、動脈硬化などの血管に問題を抱える高齢者などに活用できないケースがあり、また聴診法に比べ「触知」の性質上、測定者の感覚に左右されるところが大きい等の理由で活用する状況を選ばざるを得ません。
(次回に続きます!)
②オシロメトリック法
家庭用の電子血圧計の多くがこのタイプで、圧脈波をセンサーで感知して測定する方法です。
(続きは次回に!)
(2-1)測定方式
①コロトコフ音法(聴診法)
カフ(マンシェット)を巻き(通常は上腕)、空気でカフを膨らませることで動脈を圧迫し血液の流れを止めます。徐々に空気を抜くことで再び血液が流れ始めますが、このとき動脈の血管壁を血液が振動させる音(コロトコフ音)を聴診器で聞き取ります。この音の聞こえ始めが最高血圧で、聞こえなくなったときが最低血圧です。WHO(世界保健機関)ではコロトコフ法を推奨しているため、病院などの医療機関では通常この方法を採用しています。
(続きは次回に!)
血圧自体は日々変化するものなので、多少の数値の変化に一喜一憂するのではなく、医師と相談しながら一定期間の推移を見守る必要があります。
また、入浴時には温度変化や心臓への影響などにより血圧は変動しやすくなるため、特に要介護者では入浴前後の変動のチェックと観察が重要です。
(次回に続きます!)
家庭血圧は、正しい方法で測定されているかといった問題点もありますが、毎日測定できるため血圧の変化を知るのに役立ちます。最近では24時間連続血圧測定を行い、診断の補助に用いることも一般的になってきています。
(次回に続きます!)
病院などの医療機関で測定した数値を「外来血圧」または「随時血圧」といいますが、家庭で測る「家庭血圧」より10~30mmHgも高い傾向があります。これは、通院時の運動や緊張の影響があるためと考えられ「白衣高血圧」と呼ばれます。逆に家庭血圧のほうが外来血圧より高い場合は「仮面高血圧」または「逆白衣高血圧」と呼びます。
(次回に続きます!)
血圧の基準値は、二回の異なる外来診察時に安静の条件下で測定した血圧について、成人の正常値は、収縮期血圧が130mmHg未満で拡張期(最小)血圧が85mmHg未満です。収縮期血圧が140mmHg以上、あるいは拡張期血圧が90mmHg以上の場合を高血圧と定義しています。一方低血圧に関しては、世界共通の定義はありませんが、通常成人では収縮期血圧100mmHg以下が低血圧と判定されます。
(続きは次回に!)
血 圧
血圧とは血液が血管壁に及ぼす圧力の大きさで、一般に血圧という場合は動脈血圧を指します。血圧は一つの動脈に作用させた外圧を、その動脈内の圧力と等しくさせることによって測定します。
血圧は環境や測定方法によって容易に変化しますが、一般に暖かいときには低く寒いときは高くなり、精神的興奮によっても上昇します。また食事、運動、入浴、痛み、飲酒、喫煙などでも高くなり、動脈硬化症がある場合は加齢とともに上昇し、特に収縮期(最大)血圧が高くなります。
(続きは次回に!)
③直腸検温法
前述の二つの方法に比べて最も完全な体腔の温度が得られる方法で、一般に腋窩検温法よりも0,5℃ほど高くなります。しかし、下痢や便秘のあるとき、肛門周囲に疾患のある場合にはこの方法は不適当です。直腸検温の際には必ず直腸用体温計を用います。すべりをよくするために、先端部にワセリンなどの潤滑油を塗り、患者は側臥位で膝をかるく抱えるような姿勢か、仰臥位で足を広げて全身の力をぬき、体温計を肛門から4cmほどゆっくりと挿入します。測定中は動かないようにし、下腹部に力を入れないようにします。約3分後に示度を読むことができます。
(続きは次回に!)
②口腔検温法
口腔では、腋窩に比べてより短時間で効果的に体温が測定できます。口腔検温は、口腔内に障害のある人や体温計を噛み砕く可能性のある人、意識のない患者には危険なことがあります。測定直前には熱いものや冷たいものを飲食しないようにし、体温計水銀槽部を口腔内舌の下中央部に入れ、口を閉じます。測定中は舌を動かさないようにし、約5分後に(電子体温計は”ピピ”と音が鳴ったら)示度を読みます。
(次回に続きます!)
体温測定には、水銀体温計や電子体温計がよく用いられます。水銀体温計は使用後には必ず水銀を35℃以下に下げておきます。
①腋窩検温法
腋窩が汗などで湿っていたら、乾いたタオルでよく拭きます。体温計を腋窩の後ろ上方向に差し込みます。腕をおろして脇を閉めたまま、水銀体温計は約10分後に(電子体温計は”ピピ”と音が鳴ったら)示度を読みます。測定中、痩せている人は腕を支えます。左右の腋窩で温度が異なるので、なるべく測定する側を決めておきます。
(続きは次回に!)
また、高齢者は入浴中や入浴後に体調が急変する場合が多いため注意が必要です。入浴前のバイタルサインのチェックと入浴後の観察を十分に行います。一般に発熱時は入浴は避け、状態に応じて部分浴などで対応します。
(次回に続きます!)
発熱前には寒気・戦慄(ふるえ)を伴い、感染症・脱水症などの原因が考えられますが、高齢者では発熱原因が特定できない場合もあります。また、栄養失調や甲状腺機能低下症では低体温となることが多々あります。特に高齢者は、猛暑時や寒冷期の適温保持が不十分なために、高低体温となることもまれではありません。
(次回に続きます!)
体温とは、生体の温度のことです。一般に明け方に最も低く、夕方は高くなり、一日の差は1℃以内が正常です。高齢者は成人よりやや低く、気温に影響されやすいです。
食後・入浴後・運動後は避けて測定します。測定する部位によって腋窩(脇の下)・口腔・直腸温がありますが、一般には腋窩で測定します。片麻痺のある場合は、健側で測定します。一般に、高齢者の正常体温は腋窩検温法では36,0℃であり、高体温は37℃以上をいい、34℃以下を低体温といいます。
(続きは次回に!)
身体の状態を正しく把握するためには、何が正常で何が異常なのかを知っておく必要があります。生命維持の正確な状況と、傷病の進行度や重症度(救急医学領域)および治療効果の反応度を把握するためにバイタルサインを活用します。バイタルサインとは、人が生きていくうえで最低限必要な生体情報のことで、一般には体温・血圧・脈拍・呼吸などのことを指します。最近では、これらに「痛み」を加えようとする考え方もあるようです。急変時以外はできる限り、決まった時間に同じ条件で測定します。ここでは、その測定方法・基準値と異常値について述べています。
(次回に続きます!)
また、加齢による視力・聴力・運動能力等の身体的機能の低下があっても、心のメカニズムは基本的には人間は皆同じです。喜び、悲しみ、怒りなどの感情とそれに伴う行動は、若い人たちと変わりありません。「高齢者は皆、身体が弱く認知症があり思考も退行する」などと、ひとくくりにして考えることは避けなければなりません。人間には、元々の気質や長い間の生活環境や経験などにより、様々な価値観が存在します。さらに、直面する諸問題などにより、求める事象も異なるものです。高齢者個々人の生き方の自由を尊重し、苦痛や不安のない医療を提供する努力が大切です。
(次回に続きます!)
定年による失職、兄弟姉妹や配偶者及び友人の他界など、高齢期は様々な喪失感を経験する機会が多いと考えられます。健康状態の悪化に伴う経済的負担の不安や社会活動の場の減少、自信や存在価値を見失うなどの状態に陥る場合があります。このような状況では、つらい現実の受容・克服が難しく、絶望感からうつ状態や認知症の引き金となることもあります。元気そうに見える高齢者でも、本人の内面にあるつらさに目を向け、適切な対応を心がけましょう。
(次回に続きます!)
老化の具体的な症状には次のようなものがあります。皮膚が乾燥してしわが増え、視聴覚機能の低下や口腔内は歯のぐらつきや欠損が増します。嚥下がしづらくなり、息切れや便秘・尿もれなどが増え、骨がもろくなります。また、身体の反応が遅くなり、免疫機能の低下により感染症への抵抗力が落ちます。しかし、これらの症状が病気に起因して表れている場合もあるため、早期受診を行うことが重要です。
(続きは次回に!)
老化は成人以後、加齢に伴っておこる身体の生物学的諸機能の低下であって、病気ではありません。したがって、身体機能の低下を認めるものの明らかな病気でないことが診断された場合、老化現象と判断されます。老化の原因は不明ですが、遺伝や長期間に及ぶ食事・運動などの生活習慣が影響すると考えられています。誰にも現れる症状ですが、加齢による心身の変化は個人差が大きく、始まる時期や現れ方も様々です。
(次回に続きます!)
介護を要する高齢者には医療処置を必要とする場合が多く、その内容も様々であるため、医療処置の手順等について明確に定められていることが重要です。まず、高齢者の心身に関する理解を深め、服薬管理や移送、苦痛緩和や急変時の対応を含め、ターミナルケアにいたるまで、医療従事者を中心としたチームケアの質を確保するための仕組みを構築することが目的です。
(次回に続きます!)
患者本人の意思確認の場合、時間の経過、病状の変化、医学的評価の変更に応じて、その都度説明し患者の意思の再確認を行うことになっていますが、この患者が認知症高齢者である場合、自分の病状の判断ができているのか、自分の意思をきちんと伝えることができるのか、また家族と医療・ケアチームは認知症である患者の言葉をどうとらえるかなど問題は残ります。現段階では、本人に判断能力があるうちに、医師や家族の同席のもとで、病状と治療の説明並びに意思確認を繰り返し行う必要があるでしょう。
2007年にまとめられたわが国の終末期医療に関するガイドラインでは、終末期における治療の開始・不開始、変更及び中止等の医療のあり方は患者本人の意思による決定を基本とし、患者の意思確認が不可能な場合は、家族と医療・ケアチームが話し合って、患者にとって最善の治療方針をとる、としています。いずれの場合も、合意内容を文書化することが求められています。
(次回に続きます!)
「死」は誰にもいずれは必ず訪れる事柄であり、人生の締めくくりという意味でも「どのように死を迎えるか」は大変重要な問題です。突発的で予測不可能な急死以外は、「死」の前には必ず「治療」という医療行為が存在します。この終末期医療のあり方の判断は人によりさまざまで、これまでも問題点の指摘がしばしばなされてきました。
(次回に続きます!)
第二に「人権擁護」の視点です。知的機能が低下している高齢者の意思を汲み取り、認知症高齢者が人権を侵害されることなく安心して生活できるための配慮を十分に行います。特に在宅介護の場合、認知症高齢者を抱える家庭の諸問題は複雑であり、介護家族の希望もさまざまです。介護支援専門員には、認知症に関する正しい認識を持ち、家族支援も念頭に置いたケアプランの作成や、地域・施設・病院との連携を強めた社会的介護ネットワークの構築が求められています。
(次回に続きます!)
ケアマネジメントにおいて重要なことは、第一に「コンプライアンス」です。利用者のためにと、法令を逸脱して便宜を図っても、必ずしも本人のためにならない結果を招くことがあります。介護保険利用者は、介護保険法の規制を受けると同時に、介護保険法によって守られてもいます。法を逸脱して行われた介護サービスの結果に対しては、誰も責任を持つことができず、結果的に不利益を被るのは利用者となります。法令の遵守なくして、介護の質や公平性を保つことは不可能です。介護支援専門員は、適切なケアプランの作成とともに、介護サービスがケアプランどおりに正しく有効に提供されているかについて確認しなければなりません。
(あと、一息です!)
ボランティアなど
NPO法人や市民運動、個人的なボランティアなどによるさまざまな活動が行われています。高齢者の見守り、電話相談、受診や買い物の同伴、声かけ運動など多岐にわたっており、マンパワーの地域資源として期待できるでしょう。
(次回に続きます!)
家族会
家族会の活動は、同じ経験をもつ家族や、医療・介護従事者やボランティアの方々などが集まり、介護の苦労や悩みを共有し問題の解決方法を探るというプロセスで行われます。その結果、介護に携わることの意味や、病気やそのケアに関する正しい知識や最新の情報を得ることにもなり、介護者に癒しや自信を与え成長を促すことになります。また、社会的関心を高めることによって行政政策の充実を進める目的もあります。
(次回に続きます!)
日常生活自立支援事業
地域の社会福祉協議会の「専門員」「生活支援員」が、在宅での日常生活に支障のある方々が住み慣れた地域で安心して自立した生活が送れるように、福祉サービスの利用に関わる相談や援助を行う事業です。具体的な援助内容は、日常的な金銭の管理や福祉サービスの利用手続きなどがあります。
(続きは次回に!)
認知症・知的障害のある方など、判断能力が不十分なために法的意思決定が困難であったり、在宅での日常生活に支障がある方に対して支援する制度があります。当該者の権利を守り、安心して暮らせるようにするために、医療・介護従事者はこれらの制度の内容を熟知し、情報提供とともに適切な活用を推進しましょう。
①成年後見制度 成年後見センター・リーガルサポート、社会福祉協議会のほか多様な組織で実施しています。財産管理に利用されるものと考えられがちですが、身上監護や介護保険利用時にも認知症高齢者本人の立場を代弁する制度として、積極的な活用が望まれます。法定後見と任意後見があり、法定後見は「後見」「保佐」「補助」の3類型に分かれています。なかでも「補助」は、初期の認知症高齢者にも利用しやすい内容になっています。
(次回に続きます)
・虐待を受けている本人が、家族をかばっていたり遠慮があって言い出すことができない。
・家族が、高齢者を家の中に閉じ込めて外出させないようにしている。
・虐待に気づいた人が、他の家庭のことに口出しはできないと考えてしまう。
・長年にわたる地域の生活習慣であるため、当事者も近隣者も虐待と考えていない。
・家族がプライバシーの侵害だとして、保健・福祉担当者との接触を拒む。
(続きは次回に!)
・介護者の心身疲れの増大
・介護者の健康状態や精神状態の悪化
・もともとの介護者と高齢者本人との折り合いの悪さ
・介護に伴う経済的負担の増大
・介護(病気)に関する知識不足
・家族・親族の無関心、協力不足
・介護サービス利用に際し、高齢者及びその家族のニーズにケアマネジメントが合っていない
(次回に続きます!)
① 緊急事態:高齢者の生命に関わる重大な状況で、一刻も早い介入が必要です。状況に応じて警察や救急への連絡、緊急ショートステイへの入所を行います。 例)重度の認知症の母親を同居の息子が一人で介護してきたが、ストレスが大きくなり、母親に対し殴る蹴るの暴力をふるうようになった。食事の世話も不十分だったため、母親は脱水症と栄養失調で入院となった。 ② 要介入:放って置くと高齢者の心身に重大な影響を及ぼす可能性があり、専門職による介入が必要です。また区市町村による対応手段が求められます。 例)高齢の父親の年金や預貯金を同居の息子夫婦が管理し、父親には金銭を一切与えない。調理のできない父親に一日1回の食事しか与えないため、父親の健康状態は徐々に悪化している。 ③ 要見守り・支援:虐待かどうかの判断に迷う段階です。高齢者への影響は部分的か、もしくは表面化していないが不適切と思われるところがあり、介護支援専門員らによる支援・サービスの検討を図る必要があります。また、民生委員やご近所の見守りや声かけなども効果的です。 例)アルツハイマー型認知症の妻を夫が一人で介護している。夫は家事・介護に一生懸命に取り組んでいるが、病気に関する理解が不十分なために、妻の物忘れや計算間違いなどを常に叱りつけて正している。夫は妻の不安定な状態にイライラして、すぐに大声でどなってしまう。 いずれの場合も、長年にわたる人間関係や個々の人生観などが関係していることがあるため、介入時には専門的な知識や経験、慎重さが必要となります。
(次回に続きます)
①身体的虐待:殴る蹴るなどの暴力的行為
兆候)高齢者の体に説明のつかない受傷やあざなどが絶えずある。
②心理的虐待:脅しや嫌がらせ、無視などの精神的苦痛
兆候)介護者や家族に対しておびえや怒り、不安な様子を見せる。
③性的虐待:本人の同意のない性的な行為
兆候)介護者や家族に対しておびえや怒り、不安な様子を見せる。性器や肛門に出血が見られる。
④経済的虐待:本人の同意なく財産などを勝手に処分したり、本人に管理能力があるにもかかわらず金銭を使わせない
兆候)年金や預貯金が勝手に引き出されたり、口座が解約されたりしている。経済的に困窮している様子が見られる。
⑤放棄・放任:世話を怠り、高齢者の環境や心身状態を悪化させる
兆候)常に空腹感があり、脱水や体重減少が顕著である。長時間おむつが交換されていない。ひどい褥瘡が放置されている。室内が常に乱雑で不衛生な状態にある。
(次回に続きます!)
現在介護保険施設においては「緊急やむを得ない場合」を除いて、身体拘束をしてはならないことになっています。身体拘束は、高齢者の安全を確保するという名目のもとで行われたとしても、高齢者主体の介護を考えた場合きわめて問題のある行為と言わざるを得ません。施設ならびに病院における身体拘束については、その内容について明確に定め、排除に向けての取り組みを実施することが重要です。
2006年4月に施行された「高齢者虐待防止法」において、高齢者虐待の定義を明確化し、虐待の発見者には市町村への通報義務を課しています。また、原則として施設職員が虐待について通報しても解雇などの不利益は受けないとしています。
(続きは次回に!)
(1)高齢者虐待・身体拘束
認知症高齢者を抱えた家族(施設・病院)は、多くの問題と直面することになります。これらの問題に様々な原因から対応できず、心身のストレスが高まり、高齢者への虐待に至る場合があります。重篤な事態に陥る前に、原因を探り防止につなげるために、介護の専門職に就く人々には、虐待に関する正しい認識と状況に応じた適切な判断や対応が求められます。虐待を、単なる個々の介護困難事例として片付けるのではなく、施設・病院、地域など社会的に取り組む体制を構築することが望まれます。
(次回に続きます!)
<<非薬物療法>>
認知症高齢者の約80%の方が、健忘・判断障害・徘徊・幻覚・暴力などの問題行動を起こすといわれています。問題行動は介護者にとって大きな負担となるため、かつては抗精神薬の投与・身体拘束・無視するなどの対応がなされてきましたが、これらは人権上からも好ましくない対応でした。認知症高齢者の介護について考えるとき、「高齢者が充実した人間らしい生活を全うできるようにする」ということが重要になります。充実した人間らしい生活とは、高齢者が希望する精神活動や仕事が、快適な環境でできるということです。つまり、薬物などによってコントロールされた平穏な日々を送るよりも、時に騒がしかったり逸脱した行動があったとしても、いきいきとした積極的な生活を送るほうが、より快適さを向上させることになるということです。現在この実現のための対処法として、非薬物療法が重要な役割を果たすと考えられています。非薬物療法には、規則正しい生活を送ることによって問題行動を改善し、活動性を高めることで心身の状態を安定させ、コミュニケーション能力を促進させるなどの目的があります。
具体的療法
・ 理学療法(筋力強化、バランス訓練など)
・ 回想法
・ リアリティオリエンテーション
・ 音楽療法
・ 作業療法(家事、工作など)
・ 園芸療法
・・・・・etc
いずれも専門職によって、適切な指導の上で行う必要があります。
(次回に続きます!)
⑩性行為を迫る
認知症がすすみ、知的な抑制が低下しているためと考えられます。介護者は落ち着いた態度ではっきりと断りましょう。他の話題を口にしたり、お茶を勧めたりして気持ちをそらすようにします。動物とのふれあいも有効なことがあります。
障害によってこの行動が現れているので、高齢者に対して人格を非難するような言動を向けるべきではありません。
繰り返す場合は、個室で一対一にならない・同性が介護にあたる・二人で介護にあたる、などの工夫をします。
(続きは次回に!)
⑨済ませたばかりの食事を要求する
「食べた」という記憶がないので、いくら説明しても理解してもらえません。本人の訴えを否定せずに聞き、「今作っているところです」と話して実際に調理をしている様子を見てもらうと、しばらく待てる場合があります。繰り返し要求があり、待つことが無理であれば、低カロリーのおやつやあらかじめご飯の半分をおにぎりにしておいたものなどを「ご用意しました」とお出しし、満足感を得られるようにします。
(次回に続きます!)
⑧徘徊
徘徊があるからといって、自室に施錠したり椅子に縛り付けたりすることは、人権上問題のある行為です。たとえ手間や時間がかかっても、高齢者が安心感を得られる状況を作ることが望ましいといえます。
「家に帰る」と言うときには「もう遅いので今夜は泊まっていったら」と声をかけてみます。無理に説得すると不安定な状態になる場合があるため、興奮している場合は「送って行きます」と言って、しばらく一緒に周辺を歩いてみます。落ち着いてきたら家屋内へ誘導しましょう。
日中の昼寝を控え、高齢者が苦痛にならない程度の軽い運動や作業などを行うことで、夜間の徘徊が減ることもあります。
徘徊で一番気をつけなければならないのは、行方がわからなくなって高齢者の安全確保ができなくなることです。徘徊が見られるようになったら、ご近所や日頃立ち寄る商店や最寄り駅の改札などへ、状況を説明し連絡先を伝えておきます。高齢者ITケアネットワーク支援事業への相談や、衣服や持ち物に連絡先などを記した名札を付けておいたほうがよいでしょう。(本人が取りはずしてしまう場合があるので、付ける場所をよく検討します。)場合によっては、居場所を探知する機器などを利用します。
決してあってはならないことですが、万が一、行方がわからなくなった場合は、近所の方たちに捜索の協力を頼み、警察へ保護願を出します。
(続きは次回に!)
⑦弄便
ほとんどの場合、便を便と認識していません。下着やおむつの中に、排泄物が長い時間放置されないようにします。個々の排泄のリズムを計り、タイミングよくトイレへ誘導するようにします。トイレへ行くのを拒む場合は、「私が用を足すので一緒について来てもらえませんか」と頼み、トイレに着いたら「○○さんもついでにどうですか」と勧めるとよいでしょう。
排便後の拭き取りがうまくできず、手指に付着した便を着衣やカーテンなどで拭いたり、「便を流す」という作業ができなくなっていて、便を片付けようとして結果的に弄便となってしまう場合もあります。排便後の高齢者の手指や足元をさりげなく観察して確認しましょう。
排泄は大変デリケートな事柄なので、高齢者に「~してください」などと指示せずに、時には介護者がそっと処理しておくといった配慮も必要です。
「できる事は自分でやる」のが身体機能の維持の上では大切ですが、高齢者の自尊心を傷つけないように配慮することも重要です。
便をいじらないように自分で着脱できない「つなぎ服」などを着用させることは、人権上の観点から望ましくありません。
(続きは次回に!)
⑥セールスから何でも購入してしまう
単身もしくは日中独居となる認知症高齢者に、病気であることを知らずにあるいは故意に、訪問販売で高額の商品(契約)を売りつけるケースが増えています。介護者は、見慣れない高級品や契約書などがないか、日頃から気をつけて観察するようにします。認知症高齢者に通帳やクレジットカードなどを預けておかないようにしましょう。不当な購入に気づいたら、クーリングオフ制度を利用し、成年後見制度などの活用を検討しましょう。
(次回に続きます!)
⑤暴力をふるう
認知症の人は、介護者の行動を誤解しやすく、無視されている、虐待されているなどと思い込みやすい状況にあります。また、日常生活動作が以前のようにできなくなったことに対する苛立ちの表れでもあります。介護者の行動が誤解されないように、介護する時は必ず声をかけて説明する、良い表情で対応することが必要です。また、日常生活が混乱なく出来るように、シンプルな生活用品や環境を備えることも大切です。
実際に、攻撃的な行動をとり始めた場合、周りの介護者はあわてたり騒いだりしないようにします。特に男性の家族が力で押さえ込もうとしたり大声で叱ったりすると、患者をさらに興奮させてしまう場合があります。周りの刃物類や火気を片付け、散歩に誘ったり夕食の献立など別の話をして気持ちをそらせるようにします。第三者に対応を交替してもらうだけで、冷静になる場合もあります。
どうしても暴力が治まらない場合は、介護者の身の安全を確保するため、一時的に別室に移るなどします。
暴れる高齢者の介護は、時に介護者に徒労感や絶望感を強く与える場合があります。介護者は、認知症だから仕方がないとあきらめるのではなく、何が暴力の直接的なきっかけになったのかを、関係者全員で考察し対応に反映させるという作業を、その都度繰り返し行う必要があります。安易にベッドに縛り付けるなどといった対応は、人権上の観点から極めて問題のある行為です。
(次回に続きます!)
④誰かが部屋に侵入する・襲ってくると騒ぐ
まずは本人の訴えを否定せずによく聞きます。壁や天井のシミなどは、幻覚の原因になっている場合があるので取り除いておきます。可能であれば隣で添い寝をして、夜は安心して眠れるようにします。
夜間せん妄が続く場合は薬物療法が必要となり、グラマリールなどの神経遮断薬を使います。せん妄がおこってしまってからでは、薬の効かないことが多いので、せん妄が起こる前に(夕方に)予防的に投与します。抗不安薬、睡眠薬、抗うつ薬の単独投与はせん妄を悪化させるので注意が必要です。
頻繁に起こる場合は、認知症以外の病気も考えられるため、専門医を受診しましょう。
(続きは次回に!)
②人を間違える
認知症が進むと、息子を夫と思ったり娘をヘルパーさんと言ったりすることがあります。このような症状を「二重見当識」といいますが、あえて間違いを正したりせず高齢者の認識に話を合わせます。
③大切なものをしまい忘れる・盗られたと騒ぐ
認知症高齢者は品物をしまったこと自体を忘れてしまうため、「なくなった」「盗られた」と騒ぐことになります。普段からしまい込む場所を確認しておいて一緒に探して見つけたり、通帳や印鑑などの貴重品は代替品(解約済通帳や使っていない三文判など)を渡しておくなどします。
また身近な介護者を繰り返し疑うようなら、一時的に介護を交替することも検討します。
(次回に続きます!)
①話しかけ方・受け方
認知症高齢者は記憶力や理解力が低下している場合が多いため、短く簡単なことばで、一度に一つのことを話すようにします。理解してもらおうとするあまり、きつい口調にならないように気をつけます。一度で理解できなくても、あきれたり怒ったりせずに何度か繰り返してみます。結果的に、理解してもらえず意味のわからないことを言われたりしても戸惑ったりせず、相槌を打つなどして高齢者を安心させるようにします。
(続きは次回に!)
<<認知症高齢者への接し方>>
まず基本となるのは、年配者として尊敬の態度で接するということです。たとえ高齢者が幼児のような言動をとったとしても、高齢者の自尊心を傷つけるような対応は慎まなければなりません。病気によって今までできていたことが徐々にできなくなるという現実は、想像以上に高齢者を困惑させ苦しめています。病気を認め、ありのままの自分を受け入れることは、本人や家族にとってとてもつらい作業です。周囲の人は、高齢者の日常生活における失敗を責めたりせずに冷静に受け止め、安全を確保するための具体策を検討します。失われる運命にある知的能力や身体機能を考えるとき、認知症高齢者にとって「今できること」を大切にすることが最も重要になります。間違いや失敗の原因となっている事態を改善し、高齢者が何を望んでいるかを考え、穏やかな気持ちで対応しましょう。
(次回に続きます!)
<<介 護>>
ア)生活環境
・幻視は暗くなると現れやすくなるため、就寝時も真っ暗にせず、睡眠の妨げにならない程度に部屋をほのかに明るくしておきます。
・壁や天井のシミ、カーテンの柄などは、幻覚の原因になっている場合があるので取り除いておきます。
・パーキンソン症状や自律神経障害のため転倒や失神を起こしやすく、その際の受傷により寝たきりになってしまう場合もあります。段差や滑り易さに注意し、手すりの設置などを検討しましょう。
イ)対人関係
言葉が難解になり、理解不能な行動が見られるため、認知症の中でも対応が困難で、在宅の場合は介護者の負担が大きくなります。
・幻視の訴えなどに対しては、本人の話を否定せずに聞き、追い払うなどの動作を一緒にやり、「もう大丈夫。いなくなりましたよ。」などと安心させる言葉をかけます。
(次回からは「認知症高齢者への接し方」について学んでいきましょう!)
<<治 療>>
早期の段階で「塩酸ドネペジル」を服用することで、記憶障害の進行をある程度抑えられる場合があります。漢方薬の「抑肝散」も、同じく早い段階での服用により幻視抑制に一定の効果が認められています。また、精神症状や運動症状等に使用される薬については、症状を悪化させる作用があるものも多く、投薬には慎重な調整が求められます。いずれの薬も、レビー小体型認知症そのものを完治させるものではありません。非薬物療法も有効な場合があります。
(次回に続きます!)
<<症 状>>
若い頃から、寝ている最中に暴れたりする「レム睡眠行動障害」が見られることがあります。一日の内で認知機能(はっきりしている時とボーッとしている時)の変動が見られ、歩行の障害や体の固さといったパーキンソン症状を伴います。
また、特徴的なのは、生々しい幻視があることです。例えば、見知らぬ人たちが部屋の隅からじっと自分を見ている、といった具合です。一般にアルツハイマー型は物忘れの症状から始まることが多いのに比べ、レビー小体型はこの幻視が初期の段階から現れる傾向にあります。
加えて自律神経の障害を伴うため、便秘や尿失禁が多く、起立性低血圧などの症状が見られます。
(次回へ続きます。)
<<レビー小体型認知症とは?>>
1976年に日本人医師によって初めて症例が報告されたのち、1995年に病名、翌1996年に診断基準が定められました。そのため、臨床診断がより容易になりましたが、病型がいくつかあり、また老人性変化の混在の有無等の問題から、治療困難なケースが多く見られます。まじめで几帳面、特に趣味がなく仕事熱心なタイプの男性に多く見られ、ほとんどの場合高齢で発症しますが、40代で発症することもあります。
<<原 因>>
たんぱく質の一種であるレビー小体が脳の大脳皮質に広くできて神経細胞を障害することで発症します。その直接的原因については不明です。
(次回に続きます!)
<<介 護>>
ア)生活環境
・大勢の人でにぎわう環境では情報処理が困難となり、パニックに陥りやすくなるため、施設では大部屋よりも個室か気の合った人との相部屋がよいでしょう。
・刃物や洗剤・殺虫剤などは手の届くところには置かないようにし、暖房・調理機器やタバコの火の始末には十分に気を配りましょう。
イ)対人関係
・情報処理能力に障害が生じている場合、身体機能もゆっくりとしたペースになります。周囲の生活のペースが速いとついていけず、精神的に混乱をきたすことがあるので、患者一人ひとりのペースに合わせるようにします。
・感情のコントロールが十分にできないため、他者との距離が近くなると感情を突然爆発させてしまうことがあります。恒常的な密着はやめて一定の距離を保ちながら接するようにします。
・脳血管性認知症高齢者はアルツハイマー型と異なり、現実の世界で生きているため筋道の通った説明をしないと納得しません。
(次回は「レビー小体型認知症」についてです!)
<<治 療>>
現在のところ、認知症そのものの根治的治療はありません。脳血管障害の再発防止と認知症の対症療法が中心となります。脳血管障害の予防としては、血液を固まりにくくする薬剤を摂取することなどで、ある程度の効果は期待できます。日常的に、生活習慣病の治療や、過度の飲酒や喫煙の改善が必要です。
アルツハイマー型と同様に、リハビリテーションやレクリエーション、リアリティオリエンテーション、回想法といった非薬物療法が、廃用性要因の防止やQOLの改善に役立つ場合があります。
(続きは次回に!)
<<症 状>>
脳卒中のように急速に症状が表れる場合と、徐々に症状が現れる多発梗塞性とがあります。
脳血管性認知症の主な症状は、記憶障害や認知機能障害でアルツハイマー型と大きな違いはありません。しかし、症状が突然出現する・良くなったり悪くなったりしながら階段状に悪化する・部分的に能力が低下する、といった特徴があります。
障害された脳の部位によって症状は異なりますが、手足が部分的に麻痺したりしびれたりすることが多々あります。
人柄はある程度保たれますが、些細なことで泣いたり怒ったりと興奮しやすく、感情失禁をおこすこともあります。記憶は部分的に穴はありますが連続性は保たれており、知的能力が部分的に侵されたりすることから「まだら認知症」などと呼ばれます。脳血管障害を再発することで悪化する傾向があり、末期には重度の認知症となります。
(次回に続きます!)
<<脳血管性認知症>>
患者には、高血圧・糖尿病などの持病のある人が多く、女性より男性に多く見られます。国内ではアルツハイマー型認知症とともに認知症高齢者の中で高い割合を占めますが、近年わが国では減少の傾向にあります。診断がつきやすくなったことと、生活習慣病への対応が図られ、脳血管障害が減ってきたためと考えられます。 <<原 因>> 脳梗塞(脳の血管に血栓という凝固した血液がつまる)や脳出血(脳の血管が破れて出血する)によって、脳が圧迫されたり壊死に陥ったりすることによって起こります。このような脳血管障害を引き起こさないようにするために、高血圧・糖尿病・心疾患などを日常的にコントロールすることが大変重要となります。
(次回に続きます!)
<<対人関係>>
・アルツハイマー型認知症では周囲の人たちに同調しようと強く考える特性があるので、行動を促す場合は「みんなで○○しましょう。」といった声掛けがよいでしょう。
・アルツハイマー型認知症では最初の一瞬で好き嫌いを決めてしまうことが多いので、看護・介護者は笑顔や明るさなど、初対面の印象に気を配りましょう。
・アルツハイマー型認知症特有の現不安を和らげるため、言葉がけだけでなく、手をやさしく握る・背中をさする・腕を組んで歩くといったスキンシップも安心感を与えます。
・アルツハイマー型認知症高齢者には、過去の虚構の世界に生きているような言動がありますが、現実の世界に引き戻そうと説得したりすると不安が増してしまいます。介護者のほうが、高齢者の描いている世界に入っていくという対応をするほうが望ましいでしょう。
・アルツハイマー型認知症の看護・介護は、多くの場合10年前後の長期間となり、本人の苦痛のみならず介護者(特に在宅の場合)の心身の疲労は甚大です。患者の看護・介護の充実はもちろんですが、介護者の支援を検討するうえにおいても、医療・介護・福祉従事者のチームによるサポート体制を構築しましょう!
(次回からは「脳血管性認知症」について学びましょう!)
介 護
<<生活環境>>
アルツハイマー型認知症では一人でいると不安が増長しやすいので、なるべく複数人で過ごせるようにします。
施設の場合は比較的実現可能ですが、在宅では家族だけで対応するのは困難な場合が多く、近所の方やボランティアの方々に協力してもらうなどの工夫をします。
アルツハイマー型認知症では直感的に判断をくだす特性があるので、ドアに目印となるような目立つものを付けて、自分の部屋と判別できるようにします。
刃物や洗剤・殺虫剤などは手の届くところには置かないようにし、暖房・調理機器やタバコの火の始末には十分に気を配りましょう。
(次回に続きます!)
アルツハイマー型認知症の初期から中期の段階では、一人でいると不安が増長し、周囲の人たちに自分を過度に同調させようとする心理特性があります。落ち着きがなく、一対一の関係ではすぐに飽きてしまって物事が継続しませんが、大勢で楽しくにぎやかな状況では続けることができます。
直感的な感性で好き嫌いなどを判断し、理論的に説得しようとすると不安定な状態になります。
過去の記憶が断裂・欠落しているため、思い出話には日時・場所の連続性がありません。
治 療
病気の直接的原因が未解明のため、現在のところ完治に至る薬や根治術はありません。「塩酸ドネペジル」を服用することで、進行をある程度抑えられることがありますが、全ての患者に効果が認められるわけではありません。国内外において、研究・治験段階の新薬もあることから、予防的見地からも、数年後に大きな期待がよせられるところです。
身体的・精神的な合併症も多岐にわたり個人差も大きいため、その都度、対症療法で経過を見守ります。多くの場合10年前後の長期にわたる生命予後となるため、失われていく知能・身体機能の維持が大変重要なテーマとなります。リハビリテーションやレクリエーション、リアリティオリエンテーション、回想法といった非薬物療法がQOLの改善に役立つ場合があります。
(次回に続きます!)
<<原 因>>
脳細胞が変性したり死滅することによって脳が次第に萎縮するため起こります。体質遺伝、生活環境など諸説ありますが、現在のところ明確な原因は不明です。
<<症 状>>
・前駆症状:軽度の人柄の変化(頑固になる・自己中心的になるなど)や不安・不穏、睡眠障害などが認められることがあります。
・第一期 :認知症が顕著となりますが本人には自覚がないことが多く、神経症状は少ないです。主な症状は認知症ですが、不安や抑うつなどの症状もみられます。
・第二期 :高度の知的障害となり、錐体外路症状(筋固縮)が認められることが多く、パーキンソン病と間違われることもあります。
・第三期 :重度の認知症となり意思の疎通がはかれなくなります。身体機能も低下し寝たきりになる場合があります。人格の崩壊、痙攣や拒食・過食、反復運動なども見られます。
(続きは次回に!)
アルツハイマー病は多くは初老期から老年期にかけて発症し、知能・身体機能が衰え最終的には※失外套症候群に至ります。
最近わが国では、アルツハイマー型認知症高齢者数が脳血管性認知症高齢者を上回ったといわれています。
病状は比較的ゆっくり単調に進行し、持病との関連は少ないとされます。
男性に比べて女性に多く発症しています。
(次回に続きます!) 
健忘や思考障害などを単なる老化現象ととらえ、放置しておくのは望ましくありません。
認知症は、日常生活に支障が出るほどの病的困難な状態となることが予想され、健康な高齢者の物忘れとは、結果が異なるものです。
認知症の原因や状態によっては、早期かつ適切な診断・治療によって、症状が改善したり進行を遅らせることが可能な場合もあります。
日頃から
①生活習慣病の予防と治療を行う
②適度な運動とバランスのとれた食事を摂る
③脳の活性化(刺激)を図る
④喫煙や過度の飲酒を控える
などを意識して生活することも大切です。
それでは次回からは、最近のわが国における三大認知症といわれる
「アルツハイマー型」
「脳血管性」
「レビー小体型」
に関する説明と、認知症高齢者をめぐる多様な問題について考察していきます。
(続きは次回に!)
認知症の診断基準としていろいろな研究結果が発表されていますが、代表的なものとしては「認知症の診断基準(厚生省研究班:1989年)」、「DSM-IV-R(アメリカ精神医学会)」などがあり、これらの基準に基づいていくつかの検査が行われます。
イ)一般的身体検査
ロ)脳の一般検査
ハ)脳画像診断検査
ニ)知的機能測定:心理テスト
といった検査により
①記憶障害
②抽象能力・判断力の障害
③日常生活の支障
④意識障害がない
⑤器質性因子が存在する
の五つの条件が揃うことが認知症診断の前提となります。
(次回に続きます)
認知症の原因となる病気は多数ありますが、特に多いのが「アルツハイマー型」と「脳血管性」と「レビー小体型」です。
この三つの混合型を合わせると、認知症全体の80%余りを占めると考えられています。その他の病気としては、腫瘍性疾患・正常圧水頭症・甲状腺機能低下症・慢性硬膜下血腫・ビタミン欠乏症・低酸素血症・電解質異常などさまざまなものがありますが、いずれも専門的な診察と検査によって診断されます。
「仮性認知症(ノイローゼやうつ病など)」ではないことを確認することも重要です。
(続きは次回に!)
しかし認知症の高齢者の方は、こういった症状があっても感情や感性が完全に失われてしまうことはないと考えられています。また、生活環境や介護者の対応なども、症状の発生に大きな影響を与えると言われています。
以上の点をふまえ、認知症の方に対するケアの現場では、長い人生経験を持つ高齢者の方に対して尊敬の念を持ち、高齢者本位の接遇に努めることが最重要であると考えております。
また、インフルエンザや下痢などの急性疾患や以前から罹患している慢性的な疾患、薬の副作用、栄養障害、水分不足などは認知症を悪化させることがあります。高齢者の方は症状が表れにくい場合があるため、看護・介護者の観察が大変重要となります。
(続きは次回に!)
これらの知的能力の低下に伴い、心の症状や行動にも障害が生じます。
例えば、夜間せん妄(夜になると眠らずに興奮状態になる)、幻覚(実際には存在しないものが見えたり聞こえたりする)、妄想(事実ではないことを信じ込み考えを修正できない)、抑うつ(気持ちが落ち込む)、徘徊(歩き回る)、不眠(夜眠らない)、異食(食べられない物を口に入れる)、暴力(些細な事に怒って暴力をふるう)、弄便(便をいじる)などが挙げられます。
また、歩行や嚥下(食べ物の飲み込み)・膀胱直腸(排尿排便)にも障害がみとめられるようになります。
(続きは次回に!)
「認知症」とは、正常であった脳の知的な働きが、何らかの後天的な原因により持続的に低下した〔状態〕をいい、〔病名〕そのものではありません。
ここでいう「脳の知的な働き」とは、記憶・思考・見当識・計算・判断などをさしますが、これらの障害により日常生活でいろいろな失敗を引き起こすようになります。
具体的には、物忘れがひどくなり、日時・場所などがわからなくなります。理解力・計算力・判断力が低下し、人違いを繰り返したりします。
(次回に続きます)
健康なお年寄りでも物忘れをすることはあります。
健康なお年寄りの正常の物忘れと認知症の物忘れにはどのような違いがあるのでしょうか?
| 正常の物忘れ | 認知症の物忘れ |
| 物忘れを自覚している | 物忘れを自覚していない |
| 置忘れや名前を忘れるなど 体験の一部を忘れる | 生活体験の全体を忘れる |
| 症状はほとんど進行しない | 症状が進行する |
| 日常生活に支障がない | 日常生活に支障をきたし、 介護が必要になることもある |
| 物忘れに自分で対処できる | 物忘れに自分で対処できない |
自覚症状があるかないか?
自分で対応できるかどうか?
それがポイントでしょうか?
(有)伊藤ケアサービスには介護福祉士をはじめ、経験豊富なヘルパー、介護スタッフ、ケアマネジャー資格を持っている事務員もおりますので、認知症のことでお困りの場合も、ぜひ一度ご相談ください。
それでは、次回からは、認知症についての一般的な知識について、少しづつご紹介させていただきます。
現在、介護保険を使われてる皆様、これから新しく介護保険を使われる方
みなさん介護保険がわからないという声を多く聞きます
NAGOYAかいごネットを見て頂ければわかりやすく説明がのっています。
一度ご参考にしてみて下さい。
明けましておめでとうございます。
今年も一年宜しくお願い致します
より良い福祉サービスを皆様へ提供するため日々精進していきます
ホームページをご覧になって何かわからないことがあれば
お気軽にお電話お待ちいたしております!
まもなく介護報酬の改定値が発表される予定です
お客様がサービスを希望されても、福祉業界の人材不足が解消されない以上はご要望にもお応えできないワケでありまして・・・
もちろん(有)伊藤ケアサービスでは少しでも優秀なヘルパーを獲得すべく日々経営努力を続けながら、ポイントによる報奨金(臨時ボーナス)制度でヘルパーさんの日々の活動に報いております。
さて、今回の介護保険の報酬アップは、介護保険のサービス提供側の人材不足を解消する第一歩となるか?